「硫酸」について

僕の名はメカBoc！！今日は「硫酸」について紹介していくぞ。

引用：Dr.STONE 4 Z=30 DEATH GREEN より

硫酸って？

硫酸（H2SO4）無色透明な液体です。
サルファ剤の原料のひとつとして使われていたり、9巻でこけおどし戦車砲、紙飛行機爆弾のニトログリセリン、17巻ではガムシロップやカルピスを作る時にも出てきましたね。
大活躍の硫酸、美女の姿で登場したり、リューさんと呼ばれていたり、かなり親しみ深く描かれていますが、実はとっても危ない試薬なのです。
濃い硫酸は酸化力や脱水性、薄い硫酸は強い酸性といろいろな能力を持つ試薬なんだ。
ちょっとこぼした硫酸を拭いたぞうきんが真っ黒に焦げていたり、白衣に焦げた穴があいていたり、研究者の僕でも使うたびに未だに緊張するよ。手につくとチクチク痛みます。よく洗いましょう。

実際にはどんなふうに使われている？
さっき説明したとおり多数の性質を持つから、本当にあらゆる産業に必要とされているんだ。千空も言っていた通り、硫酸なしに科学の発展はありえなかったんだ。

引用：硫酸を知ろう！ (ryusan-kyokai.org)

ストーンワールドではこんな使われ方だったね。

1. 塩酸　(HCl)

硫酸に塩(NaCl:塩化ナトリウム)を加えてぐつぐつすると別の容器に塩酸がたまっていくぞ。
NaCl＋H2SO4→NaHCO3+HCl
塩酸は気体になりやすいから、水蒸気と一緒に別の容器に移動して、冷やされることで徐々にたまっていくんだね。
僕は塩酸を作ったことはなくて、そんなにお値段も高くないから僕のラボでは毎回買っちゃってます。

2. 硫酸水素ナトリウム

ロードマップには出てきた硫酸水素ナトリウム(NaHSO4)。
千空たちはエメラルドグリーンの泉近くで見つけた「ゆのはな」で代用されていたから、作られることはなかったね。ちなみに「ゆのはな」の成分は硫酸ナトリウム（Na2SO4）や硫酸カルシウム(CaSO4)だよ。

硫酸と水酸化ナトリウムでは、こんな反応が起こる予定だったんだ。
H2SO4＋NaOH→NaHSO4＋H2O

3. ニトログリセリン

反応式はこんな感じ。石けんに含まれるグリセリンと「奇跡の水」硝酸と硫酸を混ぜるとできるんだ。

硫酸は触媒（反応を促進させる物質）として使われているよ。
ニトログリセリン、作ったことあるけどかなり簡単に作れる一方で爆発性はピカイチ。
本当に危ないから作っちゃダメだぞ。

4．ガムシロップ

カルピスを作るときに入手していたね。
麦と硫酸と毒重石(炭酸バリウム(BaCO3))からガムシロップを調合したぞ！
毒重石は炭酸バリウム(BaCO3)の別名で、その名のとおり毒があるぞ！
硫酸も毒重石もそのままは食べられないけど、上手に使えばおいしいガムシロップも作れるんだ。何度も言うけど危ないから絶対にマネしないでね。
(ホンモノのガムシロップは硫酸を使わない安全な方法で作られています。安心してください。)

いろいろ混ぜるけど、実際には麦と硫酸の反応で毒重石は後処理に使われているんだ。
麦の中に含まれるでんぷんが硫酸によって分解されるんだ。
グリコシド結合が切れることで、アミロースなどの甘い成分になるんだ。

この時、ガムシロップと一緒に硫酸バリウム（BaSO4）が生成しているんだ。
これは毒性がとっても低いんだ。水に溶けにくくて、体内に入っても吸収されにくい性質を持ち、レントゲン撮影の時に飲む粉なんだ。大人のひとなら一度は経験あるんじゃないかな。
ガムシロップは液体だけど硫酸バリウムは溶けにくくて沈殿しているから、ろ過して取り除いているんじゃないかな？硫酸バリウム、美味しくはないからできればしっかり取り除きたいところ。好んで食べようとは思わないなぁ。

どうやって手に入る？

硫酸は毒物です！酸性、酸化性、脱水性と危なそうな要素が満載です！
硫酸が服にかかっちゃったドッキリとかYouTubeでよく見るけど、絶対にダメだぞ！
もちろん買うには許可が必要だからおうちでは使えません！！！！
千空たちはエメラルドグリーンの泉から入手していたけど、本来なら一般の人は立ち入り禁止の場所だからね！本当に危ないからね！

今日はここまで！！