「炭酸カルシウム」って?

 

僕の名はメカBoc!!今日は「炭酸カルシウム」について紹介していくぞ。

引用:Dr.STONE 1 z=4 純白の貝殻 より

「炭酸カルシウム(CaCO3)」って?

ストーンワールドで千空が復活液の次に手に入れた物質だね。別名として石灰、なんて呼ばれることも。

僕も使ったことはあるけれど、なんとも言えない白い粉、な印象。とっても水に溶けにくい性質を持つから、雨にも負けず環境にも優しいのでグラウンドの白線引きなんかに向いているんだろうね。

 

どんな使い方があるの?

「科学文明にまず欲しい一番重要なモン」な炭酸カルシウム、本当に様々な使い道があるぞ。

ストーンワールドでの使い方は千空が説明していたね。もう少し詳しく見ていこう。

 

その1!農業 ‘水素イオンをぶち飛ばす’

炭酸カルシウムは弱いアルカリ性の物質だ。

多くの植物は酸性(水素イオンH+を多く含む状態)の土では育ちにくい性質を持っているんだ。

いろいろ原因はあるけど。、酸性ではアルミニウムイオンAl3+が根っこの発育を邪魔したり、植物が育つ3つの要素(NPK、それぞれ窒素・リン酸・カリウム)のうち、リン酸がアルミニウムイオンとくっついて、植物がうまく吸収できなくなったりするんだ。

炭酸カルシウムで中和してあげることで、アルミニウムイオンを無毒化することで、植物が元気に育ちやすくなるんだって。

 

その2!モルタル ‘セメントの子供’

セメントと水、砂を混ぜたものがモルタル。

混ぜたときは柔らかいのにしばらく時間がたつとガチガチに固まるので、道路を舗装(ほそう、車が走れるように整える)たり、建物や壁を作ったりするのに役立つぞ。

古代ヨーロッパの建造物にも使用されていたすぐれものだ。

モルタルにもたくさん種類があって、千空たちが作っているのは「石灰モルタル」と呼ばれるものなんじゃないかな。

 

その3!石けん ‘命の石 Dr.ストーン’

アニメの1期2話中で「海藻からゲットした炭酸ナトリウムに油を混ぜて反応させりゃ完成」できると説明していたね。

本当に説明のとおりで、油(脂肪酸)とアルカリ(今回は炭酸ナトリウム)を混ぜることで、固まってできるよ。’けん化’って反応だね。

炭酸ナトリウム(Na2CO3)と炭酸カルシウム(CaCO3)って別物じゃん……って思ったキミ!いい指摘だね!

ざっくりいうと炭酸カルシウムを加熱分解させて水を加えてできる水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と海藻からゲットした炭酸ナトリウム(Na2CO3)を反応させると水酸化ナトリウム(NaOH)ができるんだ。

Ca(CO3)→CaO+CO2,

CaO+2H2O→Ca(OH)2+H2

Ca(OH)2 + Na2CO3 →2NaOH+2H2O+CO2

 

この水酸化ナトリウム(NaOH)と油(R-COOH)が反応することで石けん(R-COONa)になるんだ。

NaOH + R-COOH →R-COONa+H2O

 

下のサイトでもっと詳しく説明されているよ。千空たちは海の素材から石けんをゲットしたけど、山や街でも作れるみたいだね。

この世界が消えたあとに石鹸を手に入れる方法. ルイス・ダートネル「この世界が消えたあとの… | by Ichi Kanaya | Pineapple Blog

 

 

おうちでも簡単に作れて、僕もむかーし天ぷら油から作ったことがあるぞ。

危ないので絶対に知識のある大人の人と一緒にやってね

Amazonなんかでも石けん手作りキットがたくさん売っているので、それを使うのも手だ。

以下のサイトにもっと詳しい解説があるから、興味があったら見てみてね。

[第3回おうちラボで実験してみた]リアルDr.STONE!?イチから石鹸を作ってみよう! | みくあす令和ラボ (mikuas.com)

 

そして、その4!火薬

火薬の原料である硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)の作成に使われていたね。

CaCO3+2HNO3→Ca(NO3)2+H2O+CO2

他にも作り方はあるけど、この作り方だと4水和物という安定な状態で硝酸カルシウムを作れるため、保管や持ち運びが簡単にできるみたいだね。

 

この他にも錠剤(タブレット型の薬、ミンティアみたいなやつ)、チョーク(黒板に書くときに使うアレ)、食品添加物なんかにも使われているんだ!すごい大活躍!!

 

どうやってゲットするの?

千空は貝殻を粉々にしてゲットしていたね。他にも卵の殻や石灰石などから入手できるぞ。

現在は石灰石を原料にして作るみたいだね。

炭酸カルシウムができるまで|製造 | 白石のチカラ|白石グループ (shiraishi.co.jp)

 

 

今日はここまで!!

 

その他参考文献

アルミニウムと酸性と根の深い関係 横田 聡 化学と生物 Vol. 37, NO. 3, 1999 186-188 ja (jst.go.jp)

酸性土壌で発現するアルミニウムストレスに植物はどう応答するか 障害と耐性の分子機構 松本英明 化学と生物 Vol. 38, No. 7, 2000 452-458 _pdf (jst.go.jp)

日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年

田川博章 1987. 硝酸塩の熱分解. 横浜国大研究紀要 14:41-57

炭酸カルシウムの製造技術の変遷と応用 伊永 孝

Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan 9, 346-352 (2002) _pdf (jst.go.jp)

 

 

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