プロセスケミストの知っておきたい略語たち

若手プロセスケミストのBocです。

今日は新米プロセスケミスト必見の略語集を公開します。

 

同じケミストとして製薬会社に採用されても、プロセスケミストとメディシナルケミストでは専門とされる領域が全く異なります。

本記事ではプロセスケミストならば知っておきたい略語たちをまとめました。

普通に生活してきた中では全く聞きなれないであろう略語が行き交います。

私が入社してから1年目の頃のメモを参考にして、まずはこの辺りを知っておけば何とかなるかなーというものをピックアップしました。ざっくりとニュアンスで書きますので、説明が足らない部分は多数ありますことをご了承ください。

 

FDA

アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)を指します。

食品、医薬品の販売、流通に関して許可や取り締まりを行っています。

アメリカにおいて医薬品の申請を行う時にはFDAに必要なデータを提出し、承認してもらう必要があります。(医薬品の承認は国ごとに行う必要があります。海外で使用できて日本で使えない薬があるのはこのためです。)

 

PMDA

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)を指します。日本での医薬品承認を司る組織です。

 

規制当局

規制を行う権限を持る機関のことです。

日本の当局は厚生労働省およびPMDAを、アメリカの当局はFDAを指します。略して当局、なんて呼ばれ方もします。

 

IND

アメリカでの臨床試験実施申請(Investigational New Drug)を指します。

前臨床試験にて有効な結果を得られた場合、臨床試験に移行します。即ち医薬品の候補品は実際に人に投与され、効果があるか試されます。その際にINDを提出する必要があるのです。

 

NDA

アメリカでの医薬品の承認申請(New Drug Application)のことです。

秘密保持契約(non-disclosure agreement )を意味する場合もあるので注意。

IND、NDAはタイムラインを説明するときによく出る言葉ですね。

 

CMC

(Chemistry, Manufacturing and Control)を指します。その名のとおりではありますが、原薬・製剤における、Chemistry(化学)・ Manufacturing(製造)・Control(品質管理)の情報のことです。

原薬プロセス、製剤開発、品質評価の研究を統合した概念で、これらに関する仕事全般のことを指します。具体例として製造法研究、製剤処方の開発、品質規格の設定、試験法の開発などが挙げられます。

 

CTD

コモン・テクニカル・ドキュメント(Common Technical Document)を指します。

医薬品の品質や臨床試験に関する情報などを医薬品の承認申請のために作成する資料です。

 

 

DMF

ドラッグマスターファイル(Drug Master File)を指します。溶媒とは別物です。

その情報をあらかじめFDAへDMFとして登録することで、医薬品の申請への利用を可能にする制度です。

原薬の製造に関連する情報(材料、製造、化工、包装、保管、品質に関わるデータ)を あらかじめ審査当局に登録しておくことで、資材供給メーカーが一切の企業情報・製品ノウハウ等の重要機密を当該医薬品メーカーに提供することなく、医薬品の申請に利用できる制度です。資料そのものを指すこともあります。当局の審査および査察において参考資料とされます。

 

GMP

医薬品の製造管理及び品質管理の基準 (Good Manufacturing Practice)を指します。

臨床試験に使用する原薬製造ではGMPに遵守した製造法であることが求められます。

他にもGLP(Good Laboratory Practice:非臨床試験の安全性に関する信頼性を確保するための基準)、GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験に関する基準)などの種類があり、まとめてGxPとか書かれます。

 

SOP

標準作業手順書(Standard Operating Procedures)を指します。

要は社内ルールです。あらゆる業務はこれに従って行うことになります。新入社員の皆さんはまずはこれを徹底的に覚えましょう。

 

ICH

医薬品規制調和国際会議(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)の略称です。

ICHは薬品の品質・有効性・安全性の各分野のトピックごとに、ガイドライン(科学的・倫理的に適切と考えられる指針)の作成等を行っています。製薬会社はこのガイドラインに従って開発、研究、製造を進める必要があります。

 

 

 

たくさんありますね……多分書き漏れがあるのでそのうち第2弾をやります。

こまったときには下のサイトで探してみると辞書的に使えます。

治験ナビ – 治験・臨床試験&医薬品開発用語集 (chikennavi.net)

略語の用語解説 | 製薬業界 用語辞典 | Answers(アンサーズ) (ten-navi.com)

コメント

タイトルとURLをコピーしました