Bocです。誰もが一度は通る道、就職活動についてです。
製薬会社の研究職、有機化学のらぼ生なら一度は考える選択肢ではないでしょうか。
この記事では、現役製薬研究職があらゆる疑問に答えていきます!
修士と博士、どっちが有利?
難しい問題ですが、やはり博士のほうが有利な業界です。中でも外資系ではこの傾向が強いです。
今の日本では博士を取ると就活が苦戦する!なんて言われている中で、なかなか珍しい業界だと思います。
ただし、修士でも製薬研究職につく人は結構います。私も修士卒です。
薬学部じゃないと厳しい?工学部からは難しい?
そんなことはありません。僕も工学部卒です。
製薬に限らず、大学で学ぶ内容なんて本当にごく一部です。就職してから勉強することの方がたくさんあります。薬学部のほうが確かに現時点では少し薬に詳しいかもしれませんが、対して差はありません。
反応開発の研究室から製薬企業って行けますか?
問題ありません。周りの研究者に聞いてみたところ反応開発、創薬研究、全合成と様々でした。
何を専門にしているかよりどれほど真摯に研究に向き合っているかのほうが遥かに重要です。
メディシナルケミスト(メドケム・メディケム)とプロセスケミスト(プロセス)どっちがいい?
これは本人の適正とやりたいことによります。
やはりメドケムが花形なイメージがありますでしょうか。しかしプロセスも奥深く欠かせない存在です。
メドケムはひたすら薬の種を探します。研究が主な業務です。
研究室のころと同じように毎日実験三昧+たまに進捗会議 というような感じです。
メドケム研究の特徴は似たような骨格の化合物を作ることです。
毒性、物性、代謝など多くのパラメータを置換基や骨格を少しずつ変えることで、より洗練された薬の種へとブラッシュアップしていきます。
高い合成力はもちろんのこと、創薬に関する知識が別途必要です。
プロセスは研究はもちろん、製造管理も業務に含まれることが多いです。
この製造管理の仕事が結構ハードで、その分デスクワークの率も高くなります。
プロセス研究は製造できるような合成方法を確立する、確立された製造法が適切であるか確認する、の2つが主な目的です。
前者をsynthesis rock、後者はproess rockと呼ばれます。
プロセス研究の特徴としては同じような反応を何度も繰り返すことです。
合成以外にも、晶析、化学工学、分析化学などの幅広い知識が求められます。
入り口は同じ有機化学でも業務内容は全然違うので、配属されてからこんなはずでは??とならないようにしましょう。
会社ごとに仕事内容もすこしづつ異なるので、座談会などで質問してはっきりさせておきましょう。
どちらにも共通することとして、根気強さが必要になります。その分、成果が出たときの達成感はひとしおですね。
製薬企業と化学メーカーの製薬部門、どっちがいい?
これも難しいですね。会社として安泰かどうか、一生製薬研究に関われるかどうか、の2点でお話します。
化学メーカーだとなかなか新薬が出ない苦しい状況でも、他部門が好調であれば会社がつぶれる心配はない、と言えるでしょう。また、他部門で培ったノウハウを利用することで、製薬会社とは異なるアプローチで創薬探索を行うところも多く、そういう意味では面白いかもしれません。
しかし、会社の方針次第では製薬部門そのものが解体される恐れがあります。また、人事異動によって制約と関係ない部署に配属される可能性もあります。
逆に製薬会社の場合は、いかに新薬開発が順調であるかに依存しています。
ブロックバスターを一つでも持つ企業であればしばらくは安泰です。逆にパテントクリフを乗り切れるかどうかが肝ですね。
製薬企業は製薬に特化しているため、キャリアプラン次第で製薬研究に一生関わることも十分可能です。
製薬企業で働きたいけどハードル高そう…
特に有機化学という専攻で研究職を志望する場合、かなり厳しい戦いを強いられることになります。そんな時、一度考えてみてください。研究職以外の可能性はないのでしょうか?
こんな職種もあるので、一旦考えてみてください。
CMC 分析・製剤研究職
大学において分析や製剤を専門とする研究しては合成と比べるとそれほど多くはありません。有機化学の知識と今後学び続ける意欲があれば、この二つの分野でも十分やっていけます。分析、製剤を専門とする人たちは有機化学への見識がそれほど深くないため、むしろ有機化学の知識を持つ人は重宝されることもあるのです。
安定性試験、品質管理部門
上記の分析研究職と同じ理由です。
生産職・工場
工場勤務の人は体力勝負で働いている人も多く、どの粉がどんな成分であるかわからずに使用しているなんてケースはよくあります。専門知識がない人たちが製造すると、有機化学を知る人からすれば想像できないようなミスに繋がりかねません。有機化学を専門とする人が製造部隊に一人は欲しいはずです。
今回は以上です。
他に気になること、知りたいことがあればコメント欄に書いてください!
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